大潟村は昔、湖だった…。

くらし

 大潟村の生活環境は、防災林に囲まれた整然とした町並みの中に、公共施設、学校、医療保健施設、社会教育施設、スポーツ施設、福祉施設、温泉、ホテルなどが整備されています。また、農業だけでなく学習・文化・スポーツ活動も盛んです。
 ここでは、季節のうつりかわりに沿って大潟村のくらしを紹介いたします。

 3月になると、大潟村でも雪融けが進んでいます。農家では、苗を育てるための土の確保、種もみの選別、トラクターや田植機の点検・整備、苗を育てるハウスにビニールをかけることなど、家族総出で田植え作業に向けての準備が行われます。この頃になると、大潟村に飛来していたハクチョウやガン・カモ類の渡り鳥は、北へと旅だっていきます。
役場では、3月上旬から定例議会が行われ、新年度の事業や予算案ついて活発な議論が行われます。また、3月は卒業のシーズンでもあります。村内の保育園・幼稚園では卒園式が、小学校・中学校では卒業式が行われ、保護者の見守る中、多くの園児・児童・生徒が学び舎を旅立つ姿がみられます。

中学校の卒業式
中学校の卒業式

保育園の卒園式
保育園の卒園式

 4月になると、農作業が本格化します。各農家では、育苗用のビニールハウスを整備し、田植えの計画にあわせて育苗箱に土をつめ、種もみをまいていきます。その育苗箱はビニールハウスに整然と並べられます。苗の管理は最も重要で、気温に合わせてハウス内の温度を調整し、水やりを行って苗を成長させます。田んぼでは、トラクターを用いて耕起作業が始まります。また、特産のカボチャやメロンの苗づくりも始まります。
 4月上旬には、保育園・幼稚園で入園式が、小学校・中学校で入学式が行われます。ピカピカの新入生たちが学校へ通う様子がみられます。
 4月中旬から下旬になると、大潟村は桜と菜の花で彩られます。桜と菜の花のコントラストは大変美しいもので、例年ゴールデンウイーク期間中にあわせて満開となり、多くの方々の目を楽しませてくれます。また、期間中はサンルーラル大潟前を中心に「桜と菜の花まつり」が開催され、様々なイベントが行われ、大変賑わいます。南の池記念公園も桜の名所です。

小学校の入学式
小学校の入学式

幼稚園の入園式
幼稚園の入園式

桜並木・菜の花ロード
桜並木・菜の花ロード

菜の花畑の上では、鯉のぼりが泳ぎます。
菜の花畑の上では、鯉のぼりが泳ぎます。

菜の花畑の中をミニSLが力走します。
菜の花畑の中をミニSLが力走します。

南の池記念公園と入植記念碑
南の池記念公園と入植記念碑

 5月は田植えのシーズンです。田植えの前に、田んぼをきちんと平らにする「代かき」が行われます。田植えは5月上旬から中旬に作業のピークを迎え、10条植えの田植機(10列を一度に植えることができる田植機)が活躍します。育苗用のビニールハウスから田んぼへ、育苗箱を満載したトラックが向かう様子も見られ、大潟村ならではの光景です。田植機で田植えできなかったところは、手で田植えが行われます(補植といいます)。代かき、田植え、育苗用ビニールハウスの管理と、農家にとっては最も忙しい時期となります。また、カボチャを栽培している農家では、畑にカボチャの苗の植え付けが行われます。メロンの苗をハウスに移植するのもこの時期です。田植え後のビニールハウスでは、野菜などの栽培が始まります。
 ゴールデンウイークの後半は、大潟村ソーラースポーツラインでバッテリーカーレースである「ワールド・エコノ・ムーブ」が行われ、全国各地からのチャレンジャーと観客で賑わいます。そして毎年5月26日は大潟村防災訓練の日です。これは、日本海中部地震が昭和58年5月26日に発生し、県内に大きな爪痕を残したことから、この日が「県民防災の日」と定められており、大潟村でも役場や学校、農協、自治会などで訓練が行われます。

田植えの様子
田植えの様子

ワールド・エコノ・ムーブ
ワールド・エコノ・ムーブ

防災訓練の様子(小学校での放水訓練)
防災訓練の様子(小学校での放水訓練)

防災訓練の様子(住区での放水訓練)
防災訓練の様子(住区での放水訓練)

 田植え作業が終わっても、農家ではまだまだ気を抜くことができません。6月の田んぼでは、初夏の日差しを浴びて苗がぐんぐん大きくなっていきますが、苗に負けじと雑草も大きくなっていきます。畦の雑草も伸びていくので、田んぼの草取り、畦の草刈りが欠かせません。また、毎日田んぼを見回って水管理をすることも、重要な農作業の一つです。大豆を作付している農家では、天気予報を確認し、雨が降る前のタイミングで大豆の播種が行われます。かぼちゃの苗も生長し、つるを伸ばしていくので管理が欠かせません。このように6月も大切な農作業がたくさんありますが、最も大変な田植えが終わったこともあり、村では「さなぶり」が行われます。さなぶりとは、田植えを無事終えたことを祝い、田の神様を送る行事であり、大潟村では各住区や団体ごとにさなぶりが行われ、お酒を飲みながら楽しいひとときを過ごします。
 6月の第1日曜日は、「八郎湖クリーンアップ作戦」の日です。これは、八郎湖をきれいにするため、大潟村と八郎湖周辺5市町により行われているもので、村内では干拓堤防に沿って住区ごとに朝6時からゴミ拾いが行われます。また、6月は小学校で運動会、中学校で体育祭も行われます。保護者だけでなく地域の多くの住民が観戦に訪れ、大変盛り上がります。

6月上旬の田んぼの様子
6月上旬の田んぼの様子

かぼちゃ畑の様子
かぼちゃ畑の様子

八郎潟クリーンアップ作戦
八郎潟クリーンアップ作戦

大潟小学校運動会
大潟小学校運動会

大潟中学校体育祭
大潟中学校体育祭

 7月になると稲も大きくなります。稲を成長させ、田んぼを固くするため、田んぼの水を落とします(落水といいます)。以後、田んぼから水を落とし、乾いたら水を入れることが繰り返されます。これらの水管理とともに、この時期も雑草取りや畦の草刈りが農作業の中心となります。7月中旬になると、稲の体の中に穂ができはじめます。この時期に低温だと穂が十分に成長できず、その後の収穫に大きな影響を与えてしまいます。大豆やカボチャ畑、野菜を栽培しているハウス内の雑草の管理も大事な仕事です。
 畑作物では、7月中旬から特産のアムスメロンやカボチャの収穫が始まります。下旬には道の駅おおがたで「産直まつり メロン即売会」が行われます。道の駅おおがたでは、田植え後のビニールハウスに作付した様々な野菜が出荷のシーズンを迎え、毎日たくさんのお客さんで賑わいます。
 7月に入ると、村内では様々なイベントが行われます。ソーラースポーツラインでは「ワールド・ソーラーバイシクル・レース」や「ワールド・ソーラーカー・ラリー」が行われ、全国各地からの挑戦者と観客で賑わいます。大潟中学校では、韓国の中学校との相互交流が行われます。大潟村農村生活体験事業も行われ、県内各地からの児童が村内の農家に民泊し、農作業体験と交流が行われます。干拓博物館では自然観察会が開催され、大潟村の豊かな自然に触れることができます。また村民野球大会やサマーレガッタなどのスポーツ大会も行われます。道路沿いには、農業近代化ゼミナールにより植え付けられたひまわりが満開となり、村を訪れる多くの方々の目を楽しませてくれます。

大豆畑の様子
大豆畑の様子

産直まつりでのメロン即売
産直まつりでのメロン即売

産直まつりではメロンの試食もできます
産直まつりではメロンの試食もできます

ワールド・ソーラー・バイシクル・レース
ワールド・ソーラー・バイシクル・レース

ワールド・ソーラーカー・ラリー
ワールド・ソーラーカー・ラリー

大潟村農村生活体験事業での収穫体験
大潟村農村生活体験事業での収穫体験

大潟村農村生活体験事業でのザリガニ釣り
大潟村農村生活体験事業でのザリガニ釣り

大潟村自然観察会の様子
大潟村自然観察会の様子

サマーレガッタの様子
サマーレガッタの様子

ひまわりロード
ひまわりロード

 8月は稲の穂が出始める「出穂」の時期です。出穂が終わるといよいよ穂にデンプンが蓄積され始めます。下旬になると、穂が垂れはじめ、色もやや黄色味を帯びるようになります。収穫までもう少しです。
 8月のお盆の時期にはサンルーラル大潟で成人式が行われ、新成人の皆さんが久々に顔をあわせ、思い出話に華を咲かせる様子がみられます。また、大潟村青年会主催による全村盆踊り大会が商店街駐車場で行われます。浴衣コンテスト、仮装コンテストなどが行われ、踊りの輪が大きく広がります。下旬には、大潟村水上スキー場で桂宮杯全日本学生水上スキー大会も行われます。

夏の田んぼの様子
夏の田んぼの様子

成人式
成人式

全村盆踊り大会「ゆかたコンテスト」
全村盆踊り大会「ゆかたコンテスト」

全村盆踊り大会「ヤートセ演舞」
全村盆踊り大会「ヤートセ演舞」

桂宮杯全日本学生水上スキー大会
桂宮杯全日本学生水上スキー大会

 9月はいよいよ稲刈りの時期です。収穫の時期は農家によって差がありますが、9月上旬から10月にかけて収穫が行われます。コンバインで収穫された稲籾はダンプカーに積み込まれ、カントリーエレベーターや各農家の乾燥施設に運ばれます。そして大潟産の新米として、消費者のもとに出荷されます。また、秋野菜も道の駅おおがたに並びはじめ、多くのお客さんで賑わいます。
 稲刈りのピークを前に、村では様々なイベントが行われます。9月上旬には大潟中学校で、保護者だけでなく多くの住民が出席し、文化祭が行われます。また、幼稚園と保育園合同の運動会も行われます。サンルーラル大潟では、盛大に敬老会が行われます。ソーラースポーツラインで八郎潟干拓記念駅伝競走大会が行われ、残暑が厳しい中、出場選手が力走をみせてくれます。中旬には、村民駅伝大会と大潟神社例大祭が行われ、総合中心地はお祭りムード一色になります。

稲刈り前の田んぼ
稲刈り前の田んぼ

稲刈りの様子
稲刈りの様子

敬老会の様子
敬老会の様子

大潟村中学校文化祭
大潟村中学校文化祭

幼保ふれあい運動会
幼保ふれあい運動会

八郎潟干拓記念駅伝競歩大会
八郎潟干拓記念駅伝競歩大会

村民駅伝大会での力走
村民駅伝大会での力走

大潟神社例大祭
大潟神社例大祭

 10月上旬には、大潟村では稲刈りがほぼ終了しますが、今度は大豆の収穫が11月まで続きます。田んぼでは、稲の切り株が残されるだけとなり、ちょっと寂しい光景が広がりますが、この頃から来年の農作業に向け、土の中の水を排水する暗きょ管を埋める排水工事が、雪が降る前まで行われます。
 また中旬には、道の駅おおがたで「新米まつり」が行われます。新米はもちろんのこと、特産品の野菜などの即売会などもあり、多くのお客さんで賑わいます。下旬には小学校では学習発表会が行われます。

新米まつりの様子
新米まつりの様子

新米まつりではくじ引きもあります
新米まつりではくじ引きもあります

大潟小学校学習発表会
大潟小学校学習発表会

 11月に入ると、急に日が短くなったように感じられます。曇りの日も多くなる中、暗きょ管の工事や大豆の収穫作業、そしてコンバインなどの農業機械の整備が行われます。
 下旬には、役場で行政の仕事を体験する「一日行政マン・ウーマン体験事業」と、村当局と意見交換を行う「村づくり懇談会」が行われます。

一日行政マン・ウーマン体験事業
一日行政マン・ウーマン体験事業

村づくり懇談会の様子
村づくり懇談会の様子

 12月になると雪がちらつきはじめます。しかし、花き生産農家のビニールハウスではオランダから輸入したチューリップの球根の植え付けがピークを迎えます。田んぼには、ハクチョウやガン・カモ類などの渡り鳥もやってきます。
 幼稚園では「なかよし発表会」が行われ、頑張る園児の姿を見ようと、園児の家族で会場がいっぱいとなります。

大潟村にやってくる白鳥
大潟村にやってくる白鳥

大潟幼稚園なかよし発表会
大潟幼稚園なかよし発表会

 1月は、多くの農家は農作業を休んでいますが、チューリップを栽培している農家では、2月から3月の出荷に向け、管理に余念がありません。
 イベントも少ない時期ですが、三が日が終わると消防出初め式が行われます。また中旬には村民バレーボール大会が行われ、寒さを吹き飛ばすような熱戦が繰り広げられます。

消防出初め式
消防出初め式

村民バレーボール大会
村民バレーボール大会

 2月は、大潟村ではチューリップの出荷のピークを迎えます。大潟村のチューリップは、少量多品種が大きな特徴で、東北一のチューリップ産地となっています。
 村内では、上旬に「冬季ふるさと祭り」が行われ、つきたてのお餅などが振る舞われます。中旬には干拓博物館でチューリップ作品展が行われ、美しいチューリップを観賞しようと、多くのお客さんが訪れます。下旬には、サンルーラル大潟で芸術文化祭が行われます。1年間の芸術文化活動の集大成として、舞台発表と展示が催され、多くの村民で賑わいます。
 また2月下旬から3月にかけて、大潟村に滞在していた渡り鳥たちが北へ旅だっていきます。

冬季ふるさと祭り「宝探し」
冬季ふるさと祭り「宝探し」

冬季ふるさと祭り「綱引き」
冬季ふるさと祭り「綱引き」

大潟村チューリップ作品展の様子
大潟村チューリップ作品展の様子
 

大潟村チューリップ作品展の記念撮影コーナー
大潟村チューリップ作品展の
記念撮影コーナー

芸術文化際の様子
芸術文化際の様子

芸術文化際の様子
芸術文化際の様子